工場の跡地に建設された、崖線上の高台に立地するこのブロックは、地域のみどり・生態系の軸と、生活動線軸のクロスポイントとなる場所にあり、また、東武野田線鎌ヶ谷駅からのアクセスに対して団地の顔をつくり出す位置にある。
敷地の外縁部南側・西側には、それぞれ性格の異なる斜面を持っているが、南側崖線は既に市の緑地として保全されており、造園設計では、西側造成法面において団地の顔をつくり出し、新しい街並み景観の形成を牽引する特徴的な造園空間を創り出すことが期待された。
このため、一定の勾配に造成された法面に円弧状の腰壁(コンクリートブロック)を挿入して、地形に膨らみを持たせ、これを利用して通路、植栽空間をテラス状に構成して、街に開かれた庭園空間を生み出した。
団地内部は、住棟配置によって敷地中央部に生み出されたペデストリアン空間を「界隈軸」として見立て、これにプレイコーナー、レストコーナー、集会所中庭を連続的に編成し、集約的な生活空間をつくり出した。このペデストリアン空間は、南側住宅地と結ばれて、東武野田線鎌ヶ谷駅へのアクセスルートとしての機能をも担っている。
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