本計画は、21年間におよぶ光が丘パークタウン整備事業の最終事業となるため、本団地と周辺市街地との調和・つながりを重視した。そこで、「街・人・土・緑のつながり」をコンセプトに「居心地のよい」屋外空間づくりをおこなった。
団地外周部は、先進的で都市的な周辺市街地とのつながりを意識し、端正な形態とさわやかな印象の植物の植栽パターンによって演出している。エントランス広場には光が丘地区の歴史を紐解く案内サインを設置し、街とのつながりを表現した。
中庭空間は、居住者がさまざまな生活シーンの中で豊かさを享受できるよう、集会所やプレイロットと一体利用ができる大きな芝生広場、数人でおしゃべりできる休憩コーナー、1人で静かにゆったり過ごせるポケットスペースなど、性格や規模が異なる供用空間を設けている。
これらの空間は、光や風、土やみどり、水の匂いを感じて得られる落ち着きや安らぎを、既存樹木と多種多様な樹木や草花を用いて演出している。
そのひとつとして中庭に設けた16区画のクラインガルテン(菜園)は、野菜づくりを通して団地コミュニティの形成や地域交流など、人とのつながりが発展することを意図しており、入居後1年間、利用者のための野菜づくりの支援活動も行った。
こうした居心地のよい中庭空間は、中庭と駐車場との境に目隠しのウォールや生垣を設けることにより、領域を明確に区分したことにより可能となった。
また、団地全体は、園路に沿った草花によるボーダー状の植栽や、各住棟のエントランスホールから派生する舗装パターンによって空間の一体感を演出した。 |