国営越後丘陵公園内に新たにオープンする「花と緑の館」は雪国の長岡にあって、四季を通じて花と緑に親しめる空間、くつろぎの空間、人と自然とのふれあい空間として位置づけられており、全面ガラス張りの館内からは公園のダイナミックな景観が満喫できるようになっている。
館内は1Fにいこいの広場、体験学習室、2Fには展示室、図書・情報コーナー、レストランなどが設けられている。館のオープンにあたり、館内の植栽展示設計およびファニチャーのコーディネイトを行った。
<館内の植栽展示>
屋内という特殊な環境条件と管理可能で永続性のある植栽を前提に、植物の選定を行った。
エントランス正面のいこいの広場は吹き抜けの大空間となっており、館の運営上、多様な利用が想定されることから移動可能なプランター植栽方式を採用した。天井高10mの大空間を活かし、垂直性を強調する軽やかな印象のハワイアンバンブーを用い、個性的な空間をつくり出した。
一方、館の南側には牧歌的風景の屋外庭園が計画されている。そこで、館内1F南側のガラスウォール際の植栽は、家の周りによく見られるカクレミノ、ギボウシ、フイリヤブランなどの路傍の植栽をモチーフとし、「家の近くと家の向こう」の風景の連続を意識した植栽デザインとした。
<ファニチャーのコーディネイト>
ファニチャーは、建物や内装のデザイン、屋外の庭園デザインとの調和をはかるため、ガーデンファニチャーを基本とし、図書・情報コーナーにはゆったりとくつろげるソファーや子供用のイス・テーブルを設置した。館内から屋外を眺めるビューポイント、視線のフォーカルポイントには手づくりで温かみのある家具作家によるファニチャーを設置した。 |