区画整理事業によって生み出された街区公園(3ヶ所)の中の一つの公園実施設計である。
本公園整備の前提として、留意し解決すべき課題は2つであった。ひとつは1990年代(約10年前)に3つの公園と緑道の整備コンセプトを決めるための設計競技(コンペティション)が行われており、現在の社会情勢にあわせてコンセプトを具現化すること。ふたつめは公園敷地内に区画整理事業を記念する彫像が設置されており、これを取込んだ形で公園の用と景を創り出すことであった。
第1の課題に対しては、公園のデザインテーマ、モチーフである「水」(流れ)の導入に際し、雨水活用の導入と住民による草花管理にも使える参加利用型「水」施設の提案を行った。
第2の課題(記念碑としての彫像の存在)に対しては公園が面する街路と緑道の2つの道空間を利用して、2つの表情(用と景)をもつ広場空間に分節することで彫像(記念性)と遊び(利用性)の共存のあり様を提示した。記念の彫像は、新しく拡がりつつある街を向きながら、彫像の背後では子供たちが芝草広場で遊び、これが一体となって「地」の記憶と「図」の発展が溶け合い、この街固有のランドスケープをつくりだしている。 |