桜川公園は昭和47年に桜川堀を埋め立ててつくられた児童公園である。開園後30年以上が経過し、大きく成長したみどりが都心のオアシスとなっている反面、日照をさえぎり暗い公園となっていた。また、大通りに面した公園西側境界部には段差と防護フェンスが設けられており、スムーズな公園利用を妨げていた。
計画にあたっては、都心の駅前に立地する公園にふさわしい公園として「明るく開放的で誰からも愛される公園」をテーマにリニューアル計画・設計を行った。
明るく開放的な公園とするために、既存樹木と改修プランとを重ね合わせ、公園内に適度な明るさと緑量が維持できるよう選抜的伐採を行なった。
利用しやすい公園とするため、西側をエントランスゾーン、東側をコミュニティレクリエーションゾーンとした。
西側は隣接する新大橋通りの歩道の高さに地盤を持ち上げ、都市のアルコーブとなる開放的な空間をつくり、不特定多数の休憩、待合い利用の場とした。
東側は周辺住民が年齢・目的にあわせて利用できる公園施設を配した。
地盤の高い西側からは明るく奥行き感のある公園を見晴らすことができる。高さの違う2つのゾーンは利用目的別の空間の棲み分けにも効果を発揮している。
動線は新大橋通りに直交する太い軸に集約することで分かりやすい園路形態とし、人との出会いや交流の空間と位置づけた。
さらに、公園の名にちなんだ「桜」を公園のシンボルとしてエントランス広場と公園の軸となる園路に植栽し、親しみやすく印象的な公園とした。 |