四季園は、運動施設が優先する等々力緑地(総合公園)の北西部に位置している。四季園は、私邸の庭園を買収した経緯があり、設計時点においてもその面影が残っており、深いみどりと静けさを堪能できる場であった。
等々力緑地では、ジョギングコースの整備が進められており、四季園でも敷地外周部に整備が求められていた。また四季園内では、散策するための回遊動線の整備も求められていた。
そこで整備に当っては、対象地が持つ水やみどり、石積や庭門等の旧庭園ならではの資源と、既存の地形を活かし、みどりに包まれた、水辺のせせらぎと鳥類の囀りを聞きながら、静かで安全なジョギングや散策利用ができる場とすることを目標とした。
敷地造成上必要となる石積や園路の飛石等は、全て園内にあった石材や石積の解体に伴って発生した石材を利活用し、旧庭園の面影を継承した。
また、大きく鬱蒼としていた樹木は、伐採と枝抜き剪定により、旧庭園の風格あるみどりを維持しつつ、明るさと快適さを取り込んだ設計とした。 |