菅生緑地は、川崎市宮前区南部に位置する丘陵樹林を保存・活用した市民健康の森として整備されている都市公園である。
本設計の対象は、6.3haの面積のうち、西地区における入口づくり(0.2ha)と、拡張エリアの遊歩道(0.3ha)である。
設計においては、里山の風景及び貴重な自然資源を保全しつつ、街に開かれた整備を行うことを目的として、本緑地で活動を行っている市民団体との協議を重ねながら進めた。
西地区入口部の園路は、地形の改変を最小限にとどめるためデッキ構造とし、一方でデッキが緑地の顔となり、緑地の存在を街にアピールし、既存樹林と林床植生を保全し、利用者を誘致する装置となるようデザインしている。
また、自然石の土留め、木チップを混合した舗装、木製の手すりを用い、自然景観に配慮した整備を行った。戸建住宅跡は裸地のままとし、かつてのみどりを自然の遷移に任せて復元していく試みも行っている。 |